GPT-6.1 Terraで何が変わる? AIの画面操作と中小企業の業務活用3例

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請求書のPDFを開いて金額を確認し、台帳に転記する。会議用の資料を作るために、売上表と前月のスライドを行き来する。慣れた仕事でも、画面を切り替えて情報を探し、別の場所に入力する作業には、意外と時間がかかります。

2026年10月26日、OpenAIは「GPT-6.1 Terra」を発表しました。画像や画面の内容を読み取り、その情報をもとに操作を進めることを得意とするAIモデルです。文章作成にも対応しており、資料を読み取って項目を整理し、確認用の下書きを作るような仕事に活用が考えられます。

中小企業が検討しやすいのは、請求書の確認表や営業資料のたたき台など、途中で担当者が確認できる工程です。どんな画面を扱えるか、どこまで操作を任せられるか、どのように費用を見積もればよいかを、身近な業務に置き換えて見ていきます。

目次

GPT-6.1 Terraとは? 画面の読み取りから操作につなげるAI

AIモデルとは、指示や資料をもとに回答を作ったり、次に取る行動を判断したりする、サービスの中核となる仕組みです。GPT-6.1 Terraの特徴は、文字の意味に加え、画面上の配置や画像の内容を手掛かりにできることです。例えば、申請画面の画像を渡して、必須欄の位置やエラーが表示されている箇所を説明させる、といった使い方が考えられます。

画面を読み取ることと、ボタンを押すことには、それぞれ条件があります。画像を渡せば画面の内容を説明できます。実際にクリックや文字入力を行う場合は、AIに画面を見せ、操作を実行するツールと、対象のブラウザーやアプリにアクセスできる環境が必要です。実行環境は、AIが選んだ操作を反映し、その結果の画面を返します。AIは表示が変わったことを確かめ、次の操作を判断します。

例えば、入力画面から確認画面に進む作業でも、途中でログインや追加認証を求められたり、操作対象のアプリが利用環境の外にあったりすれば、担当者の対応が必要です。モデルを選ぶ際は、対象のファイルを渡せるか、対象画面を操作できるか、どの段階で人に引き継げるかを確認しましょう。

従来のGPT-5.6 Terraから何が変わった?

OpenAIは、専門的な業務タスクでコンピューター操作を評価する「Agents’ Last Exam」で、推論設定を中程度にしたGPT-6.1 Terraが、GPT-5.6 Terraに比べて約3分の1のコストで、15ポイント高いスコアを記録したと報告しています。このほか、画像を見て判断する評価でも従来モデルを上回り、公式発表では文章の明快さや自然さの向上も挙げています。

比較の数字は、OpenAIが用意した評価課題と設定での結果です。自社の入力作業で何件処理できるかを判断するには、書類の画質、画面の構成、例外の頻度といった、現場の条件を加味する必要があります。例えば、印字された明細と手書きの追記が混在する書類は、同じ取引先の請求書でも確認の手間が変わります。自社で普段扱っている形式に近いサンプルで確かめると、導入判断につながります。

中小企業で考えられる3つの使い方

以下は、業務の分担をイメージするための仮想例です。利用する資料、システムや操作環境に応じて、実行できる範囲は変わります。

1.請求書処理|原本と照合できる確認表を作る

仕入先によって請求書の様式が異なると、担当者は毎回、請求日や支払期限、合計金額がどこに書かれているか探します。そこで、会社が利用を認めたサンプル書類を使い、取引先名、請求番号、請求日、税込合計、支払期限を表にまとめるところから試します。複数ページある書類なら、項目ごとに参照ページも記載させると原本との照合がしやすくなります。

運用するときは「支払期限が書かれていなければ空欄」「明細と合計の区別がつかなければ要確認」といったルールを渡します。例えば、税抜小計を税込合計として拾ってしまうと、金額だけ眺めても誤りに気付きにくいためです。請求番号と取引先名を台帳で照合し、再送分の二重登録も確認します。

最初は確認表の作成までをAIの担当にし、原本との突き合わせと会計システムへの登録は担当者が行います。試行では読み取りの速さに加え、金額・期限・取引先の修正が何件あったかを記録すると、どの書類まで対象にできるか見えてきます。

2.資料作成|売上表と既存スライドから会議資料のたたき台を作る

例えば、小売業の担当者が月次会議に向けて、店舗別の売上表と前月の資料を用意したとします。「前月資料と同じ順序で、店舗別の動きを整理する」「数字の根拠となる表と行を添える」「売上が増減した理由は確認事項に分ける」と指示すると、担当者が検討を始めるための原稿を作れます。グラフの画像を渡して傾向を整理させる場合も、正確な金額や増減率は元の集計表で確認します。

例えば、客数と売上が同じ月に減っていても、営業時間や営業日数が変わっていたかもしれません。こうした背景は店舗側に確認し、会議資料には根拠が揃った説明を載せます。営業提案書でも、顧客の要望や提案の構成は下書きにでき、見積額や納期は担当者が最新の情報を反映できます。

まずは見出しと本文案を作り、既存テンプレートへの反映にどの程度時間がかかるかも計ってみましょう。文章が整っていても、グラフの差し替えやレイアウトの修正に手間がかかる場合は、素材の整理までをAIに任せる方が運用しやすいことがあります。

3.フォーム入力|項目の照合と下書き入力を試す

取引先のポータルに商品情報を登録する業務を考えてみます。社内の表には「商品名」「品番」「単価」があり、登録画面では「表示名」「管理コード」「税抜価格」という名前になっていることがあります。まずは、どの列をどの欄に使うか、画面と入力元を見比べた対応表を作らせます。

操作ツールが利用できる環境では、テスト画面に架空のデータを入力し、確認画面で止めるところまで試せます。担当者は税込・税抜の違いや品番の先頭のゼロ、選択欄の初期値を確認します。フォームの仕様によっては入力した時点で保存されることもあるので、本番画面に触れる前に、どの操作でデータが書き込まれるかを調べておきます。

画面の変更で項目が見つからない場合や、同じ商品がすでに登録されている場合は、その時点で処理を止めて担当者に引き継ぎます。最後に誰が登録を確定するかを先に決めておけば、テスト時にも判断がぶれにくくなります。

ChatGPT Work・Codex・APIの提供状況と料金

OpenAIの発表では、GPT-6.1 TerraはChatGPT WorkとCodexでPlus、Pro、Enterprise、Eduが提供対象です。リリースノートでは順次提供と案内され、通常のChatタブは対象外と明記されています。以下は2026年11月4日に確認した公式案内に基づく整理です。

Workは、資料を使った作業などを進めるChatGPTの作業環境です。利用するときは、モデルの選択肢と、作業に必要なファイルやツールを使えるかを確認します。Codexは、コードを書いたり、修正内容をテストしたりする開発作業に使われる環境です。社内システムの担当者が、定型処理を補助するプログラムの作成やテストに使う場面が考えられます。製品や契約、管理設定に応じて、使えるツールや利用枠は変わります。

APIは、自社のプログラムからOpenAIのモデルを呼び出すための窓口です。例えば、社内の請求書管理システムに、確認表の項目を生成する処理を追加する場合に使います。API上のモデル名は「gpt-6.1-terra」です。モデルに画面操作を任せる構成では、画面画像の取得と操作の実行を受け持つ環境も用意します。どのシステムと接続するか、誰が失敗時の対応をするかまで含めて設計する仕事です。

API料金は入力と出力を分けて考える

標準API料金は100万トークンあたり、入力1米ドル、キャッシュ済み入力0.05米ドル、出力5米ドルです。トークンはAIが文章や画像などを処理するときに使う計量単位です。キャッシュ済み入力は、すでに処理した共通の指示などを再利用でき、適用条件を満たした入力を指します。APIの請求はChatGPTのサブスクリプションと別です。

例えば、標準単価で通常の入力が合計10万トークン、出力が2万トークンなら、モデルの料金は入力0.10米ドル、出力0.10米ドルで、合計0.20米ドルです。これはトークン数を仮定した計算例です。実際には画面を取得する回数や再試行によって使用量が変わり、長い入力、キャッシュへの書き込み、利用モードやツールなどによって費用が変わる場合があります。

会社として予算を検討するときは、モデル料金に加え、連携の開発費、動作の監視、担当者の確認や修正にかかる時間も見ます。利用件数が少ない仕事なら、ファイルを渡して確認用の表を作るところまでで十分な場合もあります。件数が多く、毎回同じ作業が発生するようなら、システムとの接続を検討する余地が出てきます。

導入時は、任せる範囲と止める条件を決める

AIが扱うデータと操作権限を絞る

請求書や取引先の登録画面には、業務に必要な項目と一緒に、口座情報や連絡先が載っていることがあります。最初の試行は架空の資料で行い、実データへ進む段階で、利用を認めるサービスやアカウント、送ってよい項目、閲覧できる人を社内で確認します。画面を扱う場合は、同じブラウザーで別の顧客情報や個人用のタブを開いたままにしないなど、見える範囲も意識しましょう。

また、画面や文書には、AIを別の操作に誘導する指示が紛れ込む場合があります。こうした手口をプロンプトインジェクションといいます。閲覧するサイトや操作できる範囲を絞り、外部送信や削除、支払いのように影響が大きい操作には、人が確認する手順を置きます。入力欄が見つからない、金額が合わない、再試行時に前回の登録結果が分からないといった場合も、止める条件に含めます。

確認・修正を含めた時間を測る

試す業務を一つ選び、普段どおりに処理した時間と、AIを使って準備・照合・修正した時間を比べます。例えば請求書なら、形式がそろったものと、複数ページや例外のあるものを分け、どの項目をどのくらい直したかまで記録します。途中で止まったケースも残しておくと、別の担当者が同じ仕事を引き継ぐ際に役立ちます。

初回の評価で見るのは、入力作業の速さと、確認にかかる負担の両方です。台帳の下書きづくりは短くなった一方、原本との確認が増えて総作業時間が変わらない場合もあります。そのときは、対象を定型書類に絞る、確認表に原本の参照箇所を加えるといった調整をしてから、次の試行に進めます。

まとめ|手作業が多く、結果を確認しやすい一工程から

GPT-6.1 Terraを実務で試すなら、まずは請求書の項目抽出、会議資料のたたき台、フォームの項目対応表といった、担当者が結果を見て判断できる一工程を選んでみてください。月末に何度も同じ画面を往復している仕事があれば、どの時点で担当者の判断が入り、どこまでなら下書きを用意できるかを書き出すと、試す範囲を決めやすくなります。

AIが扱う情報の確認ルールについては、AIを業務に活用する前に。企業が整えたい情報確認のルールでも紹介しています。

転記や資料作成に時間がかかっていて、どの工程からAIを試せるか整理したい場合は、アイ・クリエイトへご相談ください。今の業務の流れをもとに、活用できる場面を一緒に考えます。

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参考情報

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この記事を書いた人

データ分析から生成AI、アプリ開発まで、企業のDXを伴走支援しています。
難しく見えがちな最新テクノロジーやデータと、現場のビジネスを繋ぐのが私の役割。当ブログでもその経験を活かし、専門用語を極力減らしながら、明日から使えるマーケティングのコツを噛み砕いてお伝えします。

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