こんにちは。
風呂上がりでも靴下の手放せないdoctorg3です。
最近では、ステマやブランディングなどマーケティング用語が一般化しすぎて、
芸能人のニュースにまで登場するようになると、なんだか言葉自体が一人歩きしている印象です。
IT業界で使われるマーケティングは、俗物的で手垢に塗れた感があって、少々辟易しております。
しかし、学問としてのマーケティングは別です。
そこに少なからずユーザーの心理的な作用、心理学が関わっている、と感じているからです。
「コトラーのマーケティング4.0~スマートフォン時代の究極法則~」のお話です。
帯に「神様コトラーの最終講義」とあります。
コトラーの名は、ニュースサイトで目にしていましたが、実際に本書に触れるのは初めてです。
コトラーのプロフィールを以下に引きます。
現在はSCジョンソン特別教授(S.C. Johnson & Son Distinguished Professor)を務める。現代マーケティングの第一人者として知られ、日本でも数多くの著書が翻訳されるとともに、解説本なども出版され、主要な学術誌に90点を超える論文を寄稿している。
顧客のセグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングを説くSTP理論や、マーケティングの4Pにpublic opinion(世論)・political power(政治力)を加えた6P理論、または4Pにpeople(人)・processes(プロセス)・physical evidence(物的証拠)を加えた7P理論などが有名。また、その研究活動は、営利事業の分野だけに留まらない。美術館や非営利事業の資金調達、あるいは政治活動のマーケティングの研究などその足跡は他分野に及んでいる。
出典:wikipedia
おもてなし2.0、お金2.0等々、なんでもバージョンをつけて呼びたがるのは、
進化を謳歌している現代人の特性でしょう。
バージョン管理することで以前との違いをアピールする狙いがあるからです。
NewPicksやBUSINESS INSIDER JAPANなどを見ていると
さも訳知り顔で「消費者の心を掴むにはこういう風な施策を打つと良いでしょう」等々、蘊蓄をひけらかす○○教授的輩ばかり。
「いかに売るか」を声高に叫ぶばかりでユーザー心理などそっちのけ、という感じを受けていました。
今回は本書からいくつか気になった箇所をピックアップしてご紹介します。
第1章 つながっている顧客へのパワーシフト
今も世界中のあらゆる分野でイノベーションが興っています。しかし、その新たな分野において起業化が乱立し、協働、排除などの動きが活発になり
イノベーションが成熟してくると、「包摂」の段階になってきます。
社会的包摂あるいはソーシャル・インクルージョンとは、社会的に弱い立場にある人々をも含め市民ひとりひとり、排除や摩擦、孤独や孤立から援護し、社会の一員として取り込み、支え合う考え方のこと。社会的排除の反対の概念である。
出典:wikipedia
最近でいえば、通販サイト大手「ZOZOTOWN」がYahoo傘下に入り、実質的な買収と話題になりました。
これは、上記の包摂とは異なり、「包括」の方が正しいケースかもしれません。コトラーの言っていることが、正にこの日本で具現化されています。
マーケティングとは、消費者心理をつき、購買へつなげる一手法、と考えていた私にとっては驚きの発見でした。
第3章 デジタルサブカルチャー
マインドシェアは若者、市場シェアは女性、ハートシェアはネティズンが鍵。
今の時代に影響力をもつ主要なセグメントとして上記の3つを挙げています。
若者はSNSを使って良くも悪くもその商品やブランドを評価し、情報を拡散させます。
また、女性をターゲットにした施策は基本であり、さまざまな選択のシチュエーションの中から最善の選択をするのも女性です。
音楽、映画、スポーツにおけるサブカルチャーの流行を牽引しているのは明らかにネティズン(ネットの中の市民、という意味の造語)です。
では、ここに存在しないシニア層はどうでしょう。
ここに挙げられない要因として、当該の年代は、すでに固着したブランドや商品があり、新しく登場した商品やブランドには他の年代に比べて
比較的興味が薄いことが挙げられます。
新しいニーズを必要としない生活行動が基本になっていると言えるかもしれません。
上記3つのセグメントの中でも「ハートシェア」とは、なんでしょう。
本書を引きます。
ネティズンのコミュニティは、相互にメリットとなるような感情的なつながりにもとづいて幾何級数的に増大するので、ブランドのハートシェア(ブランドに対する心情的で好感がしめる割合)を拡大するカギになる。コミュニティ内のクチコミに関しては、ネティズンは最高の増幅器であり、彼らのお墨付きを得たら、ブランド・メッセージは社会的つながりに沿って流れることになる。
いかがだったでしょう。なんとなく分かっていることでも、こうして図式として現してみると、納得がいくと思います。
次回は、4P~6P理論などについてです。
コメント