デザインの幅が広がる!?これが使い勝手のいい写真!

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こんにちは。朝子です。

暑いとさっぱりとしたものが食べたくなりますね (;^ω^A
酢の物が恋しい季節です。

私はグラフィックデザイナーとして日頃、パンフレットやチラシのデザイン制作のお仕事をいただいております。

そんな酢の物好きデザイナーの私ですが、各所で口を酸っぱくしてお願いしていることがあります ( ̄* ̄ )

 

例えば、チラシに使用する1枚の写真。
その写真の中の『構図』が、その後のチラシデザイン表現の幅を左右します。

 

デザイン制作の工程はいろいろありますが、先にデザイナーがデザインのラフを制作して、ご依頼主に了解いただいてから、その案に基づいた構図の写真を撮影する場合もあれば、ラフ案の前に、ご依頼主に「この写真でデザインを作って」と写真をご提供いただく場合もあります。

 

ご予算やスケジュールによほど余裕をお持ちでない限り、おおよその場合は後者である“ご依頼主様がご用意した写真を元にデザイン制作に着手”というパターンとなります。

 

そんな時、「まぁ、デザイナーさんがなんとかしてくれるさ」という思いで写真を撮影するよりは、少しだけポイントを抑えて撮影いただくことで、その後仕上がってくるデザインに差が生じることを、お含みおきいただきたいのです!

 

印刷物やWEB用など、その後デザイン編集に使用される写真には、

・使い勝手のいい写真
・使い道を狭める写真

というものが存在します。

せっかく制作会社にデザインを依頼するのなら、使い勝手のいい写真で、魅力あるデザインを作ってほしいものですよね (´Д`) =3

 

これからサンプルをお見せしながら、その違いについてお話しさせてください。

仮に今回、チラシデザインを制作するとしましょう。

 

デザイン制作用として使い勝手のいい写真はどっち?

 

さて、次の写真をご覧ください。
どちらの写真がチラシのデザインを制作するにあたって使い勝手のいい写真でしょうか?

 

写真A

 

写真B

 

う~ん… ( ̄△ ̄)

 

Aは整ってはいますが、なんだか普通。
好みもあるとは思いますが、Bの方が迫力があって商品の魅力を表現できるような?

 

 

…だがしかし!!

 

その後の使い道を考慮すればAの方が『汎用性が高い写真』と言えます。

Bは『写真単体のみの構図』となっているからです。

 

 

例えば、

・A4タテ
・迫力のあるデザインで

というご依頼をいただいた場合、

 

写真Bを使用すると、

このようなデザインに仕上がりました。

 

 

一方、同じデザインテイストで写真Aを使用してみると、

このような感じに。
引き締まっていい感じですね。

 

写真Aならば、ラーメンを切り抜き加工して、さまざまな背景に載せることも可能。

がらりとイメージが変わりましたね。

また、ラーメンを紙面からはみ出すくらいに大きくしたり、左右に寄せたりと、その調整も容易です。

 

これらは、写真Aでは可能でも、写真Bではできないレイアウトや表現なのです。

 

写真Bは、具体的に

・A4タテのチラシに対して、横長の写真
・上部:チャーシューが欠けている
・右側:器全体が欠けている
・下部:陶器が欠けている

という状態から、紙面に対するレイアウトのパターンが限られたものとなり、結果として写真Aに比べ、デザインの表現がとても狭まってしまうのです( ̄△ ̄;)

 

 

写真を加工すればいいというわけではない!

 

また、デザインに幅を利かせようとトリミングやぼかし加工を行うと、

そもそも元の写真が「寄り」の構図で、いわばトリミングされている状態でしたので、それ以上にトリミング行為を加えると、もはや商品の姿がよくわからない写真になってしまいます。

これでは読み手(お客様)に商品の魅力を伝えるどころか、どのような姿をした商品なのか理解を阻んでしまいます。

不適正なサイズや異質な図形のトリミング、不必要なぼかし加工等、ビギナーさんがよく使うありがちな手法です。とりあえず加工すればオリジナリティが出せるのではないか…と。直球で言ってしまいますが、このような加工は逆効果!やめたほうがいいです…。

そもそも、プロのカメラマンが撮影された写真の場合は、既に写真の構図がベストな状態ですので、不必要なトリミングや加工をせずに使用することがおすすめです。

 

 

それじゃ、どんな写真を用意すればいいの?

 

ご依頼主様自身が撮影された写真をご提供いただくことも、実際はとても多いケースです。
そのような場合は、次のような構図の写真を撮影いただくことをおすすめいたします!

「寄り」の構図よりも「引き」の構図で使い勝手アップ!

写真単体で見ると、「寄り」の構図で撮影した写真の方が迫力があって魅力的に見えることがあります。
私も個人的に撮影するならそのように撮ることでしょう。ですが、大事なのはその後の工程。
ここは気持ちをぐっと堪えて「引き」の構図にして、その後の使い道を広げましょう。

「寄り」と「引き」両方の写真があれば、越したことはないかもしれませんね。

 

 

「欠け」や「被り」にご注意!

人物写真も同じことが言えます。
こちらの写真では、女性の手がはみ出ていたり、眼鏡の男性の肘に、パソコンのディスプレイが被っています。
いくつもある説明写真のうちの一つであるならば、それほど気に掛けなくてはいいのですが、メインを飾るような写真であるならば、その後のデザイン表現への可能性を広げるためにも、撮影時に気を付けたいポイントとなります。

 

 

 

 

 

商品全体が写っている写真は、切り抜いて使用できますので、このように遊び心のあるような表現もできます。

 

 

「寄り」の構図の写真は、おのずとトリミング状態で使用することになり、四角の図形を多用するため、比較するとお堅めな印象になります。

次のサンプルのような使い方の写真は、業界では角版(かくはん)と言ったりします。

 

頻繁に差し替えが必要なシーン、例えば上記のサンプルのようなメニューでしたり、商品カタログや定期的な発行物のように、テンプレート化したデザインを使って写真を差し替えるような場合は、角版の方が制作や運用に向いている場合もあります。

 

 

この記事のまとめ

 

『寄り』の構図だけでなく、必ずも『引き』の構図も加え、被写体の全体を撮影

 

制作会社にデザイン依頼する際、予算やスケジュールの都合で自前で写真をご用意される場合、『その写真単体で完成された構図』よりも、その後に『どのように使用するのかを想定して撮影』されることをおすすめいたします。

 

ぜひお試しください!

 

 

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