ターゲットに響かせるコツはデザインの一貫性にあり?(トンマナ講座~配色編~)

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こんにちは!朝子です。

あけましておめでとうございます。
今年の AKITA SOLUTION MAGAZINE もお役立ち情報を発信してまいります。
どうぞよろしくお願いいたします(^^)/

 

さて、前回、2回に渡り『トンマナ』というグラフィックデザインの手法についての記事を執筆させていただきました。

第1回 トンマナとは? プロローグ
一貫性を持っている人は魅力的! それ、デザインも同じです。

第2回 トンマナとは? 書体編
ターゲットに響かせるコツはデザインの一貫性にあり?(トンマナ講座~書体編~)

 

『トンマナ』とは、『トーン&マナー』の略称です。
商材の持つ世界観や、ユーザーに与える印象を統一させるために、その商材を取り巻くヴィジュアルに一貫したルールを設けるためのマニュアル作りのようなものです。

今回は『配色』のトンマナについてご紹介させていただきます。

 

色は印象を持っている

 

よく、

赤=情熱的
青=堅実
緑=自然・安心
黒=厳格・高級

などと分類されますが、これは皆さまご周知のはず。
ですが、実際のところさらに複雑です。
単色でなくても、複数の色の組み合わせや、鮮やかさや明るさなどでも印象が変わっていきます。

 

色は連想を促す

 

さて、次の画像をご覧ください。
どんな飲み物でしょう?

 

甘いラテでしょ?

 

こっちは苦そうだね。

 

酸っぱそう~。
でもビタミンは多そう。

 

 

ちょっと待ってください!
まだ何も説明していませんよ?

 

と、こんな具合に、自然と味の連想ができてしまうのですから、色が与える効果は絶大ですね!
そこで「色の取り扱いには慎重になりましょう!」というのが今回のテーマでございます。

 

既存デザインの配色を分析してみよう

 

著者である私自身、モノトーンや落ち着いた色の服や持ち物を好む傾向にあります。
若い頃からかなり地味系w だって落ち着くんですもの。

ですが、仕事となったら話は別です。
パンフレットやチラシ、WEBページなどデザインを担当する際には、配色にあれこれ悩みます。
自分の好みや勘に頼るのではなく『ターゲットにどう感じてほしいか』で配色を決めていきます。

特に『色』は流行の影響も受けやすため、自分の感覚やそれまでの知識だけに頼るのではなく、『トレンドキャッチ』を行い、配色を分解していきます。

 

簡単ではありますが、私と一緒に既存デザインの配色を分析していきましょう~。
どうぞお付き合いくださいませ。

 

おー、威厳ある風格。
写真以外の色は無彩色ですね。
風格を演出するために、写真の持つ魅力を最大限に活かしています。

 

 

お?なんだか気になるイベントです。
ナイトイベントではありますが、暗さの中にもポップな色を取り入れ、不思議で楽しそうな雰囲気を演出しています。
若い世代を取り込もうとしているイベントのようです。

 

 

筋力トレーニング、体力向上を目的としたフィットネスクラブのポスター。
ストロングカラーで、筋肉を連想させる力強さ、そして「たくましいBODYを手に入れてやる!」とい意思表示の強さを感じさせます。
これがダイエットや美容目的であれば、まったく別の配色となることでしょう。

 

 

見出しで使用しているレッドは、写真の中にある色からチョイスしたものです。
同じく、写真の中にある他のカラーであるブラウンやグリーンを見出し文字の色にしてもマッチします。
ですが、スイーツの華やかさや食欲をそそるためにはレッドが一番しっくりくるかもしれませんね。
また、背景色は白ベースなのでスイーツの写真がとても綺麗に見えます。

 

 

カラフルであるにもかかわらず、統一感があるのは色のトーンを揃えているためです。
このような場合、掲載する文字の色は白一択になります。

 

 

このように、世に出ているデザインの配色を分析してみましょう。
きちんと設定のあるグラフィックデザインには、使用する色が限定されていることに気づくはずです。

『配色を決める。決めたら守る。』これが大事。

言葉で伝えるよりも、参考品などを確認して配色を決定していく方が、クライアントや制作チーム内でのズレは少なくなります。配色を決め、使用ルールを確定して制作を進めると、その後の迷走を防止することができます。

 

よくある配色NG

 

例えばパンフレットやチラシ制作のご依頼いただく時、お客様より

「ここの情報は目立たせたいから”赤”にして」

「ここの情報は目立たせたいから”他の箇所で使っていない色”を使って」

とご指示をいただくことが多くあります。

 

確かに目立ちます。
ただし、恐れながらそれは目立つと言っても『異質な意味で』ということです。

 

 

Oh….素敵な写真が文字の配色で見事に台無しになってしまっています。

これはいくらなんでもやりすぎなサンプルですが、「目立てばいいというものでもない」ということが伝わればと..。

 

血液の色が赤だったり、興奮すると肌の色が赤みががるように『赤=情熱・興奮・注意・警告』であり、人が注目するという心理作用は大きいのだと思います。

また、セール価格などは赤で表記することがセオリーであり、ほとんどの人が赤い文字に注目するように普段の生活の中で自然とラーニングしています。

 

その効果をそのまま利用して注目を狙うということも、とても効果的な手法の一つです。
お得感を演出したい場合、とにかく注目して欲しい場合などで絶大な効力を発揮します。

 

ただし、全てに当てはまる訳ではありませんのでくれぐれもご注意を。
特にブランディングを狙うヴィジュアルに仕立てたい場合は、そのブランドのカラーを守るべきと考えます。

目立たせたいがためにトンマナを無視しては、トンマナが崩壊してしまいます。
狙ったユーザーに響かなくなることになりかねません。

 

色に頼らない目立たせ方

 

特定の情報を目立たるために、その他の情報を控えさせるという手もあります。
パッと見た一瞬のビジュアルがターゲットに響いているのならば、ターゲットはその後細かな情報までを注視してくれるようになります。

このデザインの場合は、女の子と独特なカラーがアイキャッチとなります。

 

例えばクライアントは「この商品をこんな人に買ってもらいたい」という目的のためにデザイン制作を依頼されたのですから、目的に合ったユーザーに響くヴィジュアル、その世界観を守ることも大切です。

 

 

配色を決める。決めたら守る!
でございます。

参考になれば幸いです。

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