学生の「一括採用ルール」の廃止が決定し、段階的に「通年採用」に移行していくことが予想されている昨今、新卒採用は不透明な状況にあり中小企業が新卒者を獲得するための労力やコストはますます増えていくと考えられます。
昨年末に、あのトヨタ自動車が中途採用の割合を5割に引き上げる方針を固めたという報道がありました。従来の日本型雇用の終わりの始まりかと騒がれております。
巷には新卒者の就活動向や獲得ノウハウの情報が溢れていますが、中途採用の情報は意外と少ないように感じます。そういえば本メルマガでもあまり発信できていなかったような…。
ということで今回は中途採用について書いていきますので、皆様の企業の採用活動にお役に立てていただければ幸いです。
ー新卒・中途 それぞれの違いは?ー
まずは新卒採用と中途採用、それぞれのメリット・デメリットについて明らかにしていきましょう。
下記の表で比較をまとめてみました。
新卒は社会人経験がなく、中途は経験者。この違いは大きいですよね。
社会人経験のある中途は社会の基本的なマナーが備わっているので研修時間が省略できるが、独自の考え・やり方に固執する傾向があります。
反対に社会人経験のない新卒は研修時間を多く取られるが、企業文化が浸透しやすいという側面があります。
また、それぞれの採用基準が異なります。
新卒はポテンシャルを重視し働きながらスキルを磨いていくのに対し、中途はスキルを重視し即戦力となることを期待されています。
他にも給与水準の違い、採用プロセスの大小や転職リスクの大小といった違いがあります。
以上の違いを踏まえ、自社にとってどのような人材が必要かという観点から新卒か中途かを選択していく必要があります。
ー誰が採用を担当するかー
中途希望者は社会人経験を経ており、自分の働き方の理想やスタイルを持っている方が多いです。相対する採用担当者が尊敬できる人物でなければ、その企業への関心は一気に薄れてしまいます。「採用担当者を誰にするか」は中途採用を成功させる上でとても重要なファクターと言えます。
採用担当者に求められる資質は4つあります。
アサインされた採用担当者は、自社を人に自信をもって紹介するために、自社の本質的な魅力を理解するようになるでしょう。会社の現状を冷静に把握し、課題を見つけ、よりよい会社にしていくためには…と主体的に会社と向き合うことも期待されます。
また最近のトレンドに「職場スカウト採用」なるものがあります。従来のように人事部に任せきりではなく、配属先の担当者が積極的に採用に関わっていくことで入社後のミスマッチを防ぐというものです。全社一丸となって良い人材を採りにいくという流れが加速すると思われます。
ー中途採用、いつから動けばいいの?ー
中途採用の動きが盛んになる時期を明らかにするため、年間の「求人広告の掲載件数」の推移を見ていきましょう。
(参考:公益社団法人全国求人情報協会「求人広告掲載件数集計結果」期間:2018年12月~2019年11月)
この集計結果から3~4月と9~11月に求人広告の件数が多くなっていることが分かります。
《3~4月》年度変わりの時期は転職市場が活発に!
企業側 → 一般的に3月を決算月に設定している会社が多く、3月末の退職者に備えて積極的になる
求職者 → ボーナスをもらった後に転職しよう、年度末でひと区切りしようという心理
《9~11月》下半期に向けて人員補充したい!
企業側 → 新卒採用が落ち着く時期。また年内退職者が出て、その対応に動く時期でもある
求職者 → お盆や夏季休暇で親や友人との会話からキャリアプランを考え直す人も少なくない
①中途採用が活発になる上記の時期を狙い、大きな母集団を多くのライバルと取り合うか
②中途採用が落ち着く上記以外の時期に、一本釣りを狙うか
このいずれかの戦略を選び時期を見定める必要があります。
そして、人材募集は今日出して明日応募が来るというようなものではありません。
例えば求人広告を掲載するまで3週間、応募後から書類選考まで1か月、面接まで1か月というように、内定を出すまでに少なくとも3か月以上の時間を要します。いつまで採用したいかを明確にして、そこから逆算して動き出しのタイミングを測ることが重要です。
ーどうやって求職者との接点を持つか?ー
求職者が仕事探しの際にどこから情報を得ていたかというアンケート結果があります。
(参考:求職者の動向・意識調査2019「利用した求人情報源上位10項目(複数回答可)」)
web媒体の訴求効果が強く、次いでハローワーク、紙媒体の順になっています。特に若年層を中心にスマホからのアクセスが増加しており、webはもとよりスマホまわりの流入環境の整備は必須と言えます。
各媒体の特徴をまとめてみました。
以上が中途採用に有効な7つの手法です。いずれの手法にも向き不向きがあります。
例えば、大手の転職サイト(リクルートエージェントやマイナビエージェントなど)のPV数は全国的には圧倒的であっても、秋田県のリーチ数は紙媒体に劣るかもしれません。
また自社サイトのコンテンツをいくら充実させたとしても、そこに流入させる導線がなければ効果は半減です。
それぞれの特徴を理解し、採用したい時期やターゲット、予算に応じて最適な手法を実行していきましょう。
最後に、弊社では先日、東京で開催されたAターンフェアに参加してきました。
今回は新型コロナウイルスの影響なのか、いつもより来場者が少なめでしたが数名の方とお話しすることができました。過去に採用の実績もありますし、やはりこのような場で直接求職者の方とお話しできる機会はとても貴重です。プル型とプッシュ型、両方の採用手法の使い分けが重要であると、あらためて実感いたしました。
皆様の採用ライフに幸あれ(^^)/~~~
by JUNE
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