皆さまどうも!駆け出しマーケターのJUNEです。
わたくし先日までマーケティングのWeb講座を受けておりました。
3時間×全8回という、割としっかりとした勉強をさせていただき、参加者の皆さんの知識量と意識の高さに感化されもっと頑張らねばと思った次第です。
その講座の中で特に興味を持った、「プロダクト・ライフサイクル」について今回はお話しをさせていただきたいと思います。
プロダクト・ライフサイクルとは
ある商品が市場に導入され、姿を消すまでの一連のプロセスのことを指します。
市場での商品の寿命を人の一生になぞらえて、ライフサイクルという表現が使われています。
商品の置かれたステージにあったマーケティング施策が現状採れているかを確認したり、競争環境や顧客ニーズの変化を予測し将来的に採るべきアクションを正しく選択するために活用されます。
プロダクト・ライフサイクルは、大きく以下の4つの段階に分けられます。
導入期…商品導入直後で売上・利益少なく、競合も少ない状況。商品の認知度向上のため、顧客とのコミュニケーションがとにかく大事な時期。
成長期…多くの顧客が商品の特徴を理解し利用者増の状態。売上・利益増加、競合も増加。市場調査をして他社商品と差別化を図り、自社商品のポジショニングを確立することが重要な時期。
成熟期…ほとんどの顧客が既に利用している状態。需要量が少しずつ減少し競争激化で利益減少、競合も減少。市場シェア維持のために価格を下げたり、品質を向上させるなどの施策が必要な時期。
衰退期…需要が明らかに減少し撤退も考慮する時期。メンテナンスサポートが必要になるケースも多く、その対応の良しあしが次の商品に影響することも。
身近な例として、家電製品をこのプロダクト・ライフサイクルに当てはめてみると
- 導入期 → IoT家電
- 成長期 → 4Kテレビ
- 成熟期 → スマートフォン
- 衰退期 → DVDプレーヤー
インターネットとつながり外出先から中身を確認できる冷蔵庫など、今後ますますの発展が期待できるIoT家電は導入期の段階にあると言えます。
反対にDVDプレーヤーは、インターネット経由の動画コンテンツの拡大などに伴い今後需要は減っていくと予想されます。
自社製品が今どのステージにいるのか、そしてどんな対策をすべきなのかを把握することは非常に大事なことなのです。
イノベーター理論への理解
プロダクト・ライフサイクルと関連して、他者よりもどれだけ早く商品を購入するかによって、顧客は5つのタイプに分類できると言われています。
- イノベーター(新商品が出るとすぐに試すユーザー)
- アーリーアダプター(新商品の将来性を見越して購入するユーザーで、後の一般大衆の購買行動に影響を及ぼす)
- アーリーマジョリティ(アーリー・アダプターの意見を参考に比較的早めに購入するユーザー)
- レイトマジョリティ(商品が広く一般に知られるようになってから購入を決断する保守的なユーザー)
- ラガード(最も保守的な層で最終的に購入しないこともあるユーザー)
アーリーアダプターは商品のベネフィットに着目して購入を決めます。 この層はオピニオンリーダーと呼ばれるほど他者への影響力も大きいため、口コミなどにより商品普及を手助けしてくれることが期待されます。
キャズム理論への理解
情報感度の高い「アーリーアダプター」と一般大衆の「アーリーマジョリティ」にはキャズムと呼ばれる大きな溝があるとされています。
新商品が世の中に普及するためには、このキャズムを乗り越えなければなりません。
「イノベーター」と「アーリーアダプター」は、新しい技術を率先して利用して、変革を起こすことを目的としているのに対し、それ以外の顧客は業務改善や実利を求めます。このニーズの違いがキャズムを発生させるのですが、克服するためには2つの方法があります。
1つ目は、アーリーマジョリティへのアプローチ。ポイントは利用の際のリスクを最小化することと実績を強調すること。大衆層はとにかく安心感を求めているので、利用の際のリスクを減らし数字で実績を示すことが重要です。
2つ目は、ユーザビリティ。ユーザビリティとはなるべく簡単で、迷わずに、ストレスなく操作できることです。世の大半の人はイノベーターらのように高い技術力を有していません。顧客の意見を親身に聞き、ユーザビリティを改善し続けることで新規層を増やしていくことが重要です。
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)への理解
プロダクト・ライフサイクルの主に成長期・成熟期において、効果的に経営資源を再分配するために用いられる「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)」という考え方があります。市場成長率と市場シェア率の観点から、事業を下図のように4つのエリアに区分します。
それぞれの特徴について解説していきます。
- 問題児…製品を売り出したばかりの段階なので、告知コストがかかり現段階では売上も利益も見込めません。しかし市場成長率が高く大化けする可能性を秘めているので、積極投資で「花形」に育てる努力が必要。ただし「負け犬」になる可能性もあるので撤退の時期の判断も重要。
- 花形…伸び盛りであり今後ますます売上を伸ばす可能性があります。いかに市場シェアを維持・拡大しながら「金のなる木」に移行させられるかが鍵。設備投資や販促活動のために、まだまだ積極投資が必要な段階です。
- 金のなる木…投資しなくても利益を上げられる状態。獲得した利益は「問題児」や「花形」に投資して、さらなる「金のなる木」への成長を促します。成長しきった市場なので現在のシェアをいかに守っていくかが重要。
- 負け犬…収益が縮小し、今後も発展する可能性がない状態。減っていく利益の最大化をしつつ、撤退のタイミングを見誤らないことが重要。
まとめ
- プロダクト・ライフサイクルは、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つに分類できる
- それぞれターゲットとなる顧客層や特徴、実施するマーケティング戦略を立てる必要がある
- 関連性の高いキャズム理論やイノベーター理論、PPM理論と組み合わせて使うと効果的
プロダクト・ライフサイクルの管理をせずに製品開発やプロモーションを行うと、無駄なコストが発生したり、思うような利益が得られなかったりと、市場での苦戦を強いられる可能性が高くなります。
まずは自社の製品が今どの段階にいるのか、考えてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございます。それではまた!