-GA4でユーザー心理に迫る- 数字の裏に潜む「気持ち」をつかめ

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おはようございます、こんにちは、こんばんは。
皆さん、今年のGWいかがお過ごしでしょう?


コロナ禍の制限も緩和され、お花見はもちろん旅行や観光等、イベントの増加に比例し2023年は日本の広告費も前年比103%となる7兆3167億円にのぼりました。

その中で3兆3330億円と45.5%を締めるインターネット広告。(※1)

1つの接点で多くの広告がひしめき合う現在において、デジタルマーケディングの領域ではより洞察力と戦略性が求められる時代に突入しています。

数字を把握することが当たり前となっている中で、GA4がどのように有効的なのか、データの背後に潜むユーザーの行動や意図を見抜くにはどんなことが必要なのか?

今回はそこをお話ししていこうと思います。


※1 引用元:電通 2023年 日本の広告費

|デジタルマーケティング環境の変化とGA4登場の背景

2012年にユニバーサルアナリティクス(UA)が登場してから8年、デジタルマーケティングを取り巻く環境は大きく変化しました。その変化に対応するため、2020年にGoogleアナリティクス4(GA4)が登場。
GA4登場の背景とは何なのか?

1. フルジャーニー顧客理解の重要性

ユーザーは商品やブランドを知った後、意思決定(行動)までWebサイトやアプリ、実店舗など様々なチャネルをシームレスに行き来しながら購買行動をとります。そのため、企業はチャネルを超えた顧客理解と、継続的なサービス提供によるLTV向上を目指す必要があり、そういう面でGA4はユーザー行動をクロスデバイスで分析し、カスタマージャーニー全体を把握できる機能が強化されています。

2. データ分析からアクションへ

機械学習などの技術進歩により、行動や思考のパターンを発見しやすくなり、結果、データ分析からアクションへの繋げやすさが向上しました。GA4はそうした機械学習を活用し、データに基づいた意思決定と効果的なマーケティング施策実行を支援してくれます。

3.クッキーに代わる新しい顧客管理

GDPRに代表されるようにここ数年でクッキー規制が進み、プライバシー保護と利便性のバランスが問題視されるような時代になっています。ユーザープライバシーの保護と行動データの収集を両立する仕組みが求められている中、。GA4ではクッキーに依存しない新しい識別方法が構築されています。

|GA4は単なるツール?

デジマを取り巻く環境や技術の変化により、GA4は以前のユニバーサルアナリティクス(UA)から、どのような点で別物になったのか?
それは主に以下に挙げる4つのポイントになります。


1.オムニチャネル対応
これまでUAではWebサイトのデータしか扱えず、スマホアプリの分析を行うにはGoogle アナリティクス for Firebaseなど別のツールを使う必要がありました。

しかし、GA4に「データストリーム」という新機能が追加されたことで、WebサイトだけでなくiOSアプリ、Androidアプリのデータも一元管理できるようになりました。

Webプロモーションとアプリプロモーションを連携させることが一般的になっている現在、OS別やアプリ別のレポートも見られるので、オムニチャネル時代に合う機能強化が図られています。これにより、マーケターは複数のツールを使い分ける手間が減り、Webサイトとアプリの分析・施策を統合的に行えるようになりました。



2.セッションからユーザースコープへ
これまでのマーケティングは「いかに一度でも購買に誘導するか」が中心でしたが、今は「ユーザーとの長期的なつながりをいかに作り上げていくか」が問われる時代になりました。

そのためGA4では従来のセッションベースの分析から、よりユーザー中心の分析が可能になっています。具体的には、ユーザーがどのチャネルから流入し、何度訪問して、どこでコンバージョン(キーイベント)したのか。さらにはその後の購買活動がどうだったか?までわかります。

つまり、ユーザー単位のライフサイクル全体を俯瞰できるようになっています。



3.機械学習を使った予測と柔軟なデータ活用
GA4から無償版でも「Google BigQuery」と連携できるようになりました。
これは大企業だけではなく、誰もが高度なデータ活用と人間の創造力を組み合わせて、一人ひとりにぴったりの体験を提供する。機械学習とビックデータはそういうことを可能にしてくれました。
機械学習とは人工知能がビッグデータから規則性や関係性を自動的に学習し、予測や判断を行う仕組みです。

例えば、「福岡市在住のオーディエンスは、札幌市在住のオーディエンスよりも多くの眼鏡を購入したか」や「高額な眼鏡をより多く購入したのは誰か」など、特定のオーディエンスグループの行動パターンを理解した上でさらに、マーケティング戦略に基づいてユーザー将来の行動を予測。
そして、寄与率の高いユーザーに絞りターゲティングをするのか、より広い範囲を対象にするか、柔軟に調整することができます。

GA4で収集したデータと、「オフラインで管理している会員データや実店舗のPOS、来店データ」などをマージして分析するという取り組みもしやすくなりました。



4.ユーザー識別精度の向上
プライバシー保護を重視する動きからクッキー規制が強まる中、従来のユーザー識別方法であるクッキーに頼らず識別できる点はGA4の大きな強みです。

例えば、各サイトの会員IDやログインIDなどの「ユーザーID」の活用です。自社サイトにログインしたユーザーであれば、PCとスマホを行き来してもクロスデバイス識別が可能になります。会員登録を契機に、オフラインデータとのデータ統合も進み、最終的には全チャネルを横断した統合ユーザー視点の確立を目指せます。

※ユーザーIDを持たないユーザーについても、Googleアカウントを介した「Googleシグナル」による識別も可能です。Googleアカウントにログインしていれば、様々なデバイスでのユーザー行動を横断的に追跡。




これら4つのポイントは現在のマーケティングの潮流に沿ったものであり、単にツールを使いこなすというレベルではなく、ビジネス全体を見直し新たな戦略を構築していく大きな変革とも言えます。

では、そんなGA4を使いWeb解析をする上で、数字を見る前にすべき事とはなんでしょう?

|Web解析の秘訣は”目的”を明確にすること

様々なことが見えるGA4ですが、なんとなく数字を眺めるものの、結局よくわからないまま思いつきで触ってみる、「とりあえず」になっていることがありませんか?

データの数字は、それ自体では何の意味も持ちません。大切なのは、“目的”を明確にして、その目的に合わせてデータを活用すること。

つまり、Web解析で一番大切なのは、事前準備として「分析の目的」をハッキリ定めることです。そのための作業として、
  1. ヒアリングで分析対象の現状を把握する
  2. 課題や目標を明確化(理解)する
  3. 分析方針(目的)を設定する

こういったステップを踏む必要があります。
なぜなら、目的が明確になって初めてデータの意味が分かり、改善案が浮かんでくるからです。 そういう意味でWeb解析は、単に数字を読み解くだけの仕事ではありません。戦略的な視点を持って、組織の目標達成に貢献するクリエイティブな仕事です。

|ユーザー(顧客)を知りたいという探究心

Web解析で一番大事なのは、「ユーザーを知ろうとする探究心」です。アクセス解析ツールが教えてくれるのは、ユーザーが行動した足跡

つまり、生の消費者行動データです。

今やWebサイトは商品やサービスを知るための重要な情報源になっています。だからこそ、ユーザーの行動を理解する力は武器になり、思いつきにならないようデータを用いた検証を行えばクライアントへ適切な改善策を提案したり説明するときにも役立ちます。

しかし、ただデータを並べるだけでは駄目。

なぜ?そうした行動をとったのか、「ユーザーの気持ちを推し量る」力が問われます。

判断がつかなければ1〜2週間程度のABテストを行なってみるという手もありでしょう。
もちろん実際の案件では時間的・予算的制約もあります。

そのため、失敗(=数字が悪くなる)をするときもゼロではありません。それでもユーザー導線の構築や改善には実践が重要です。失敗しても学べます。

さながら目の前に宝箱があり、99%ミミックの罠だと分かっていても残り1%にかけて宝箱を開ける。
そんな某アニメ、葬送のフリー●ンの如きマインドが必要です。

|”数字の奥”にあるユーザーの気持ちに着目する

GA4などアクセス解析ツールはデータから様々な数字を教えてくれます。しかし前述したように数字だけ見ていては駄目なんです。 例えば、とある人がECサイト上で新商品と人気の定番商品を行ったり来たりしているとします。この場合、アクセスデータからは単にページビュー数と遷移経路が分かるだけです。

でも、ちょっと想像してみてください。

リアル店舗だったらどうでしょう?もし同じ行動をしている人がいれば、ショップ店員なら「あの人、新商品と定番商品でどっちを買おうか悩んでいるんだろうな」っと思いますよね。

つまり、Web解析でも同じこと。数字の裏側に、ユーザーがどんな状況に置かれて、どんな気持ちを抱いているのかを想像する力が必要です。
それがビジネス目標に役立つ情報、すなわち次に打つべき手になります。

|日常から”気づき力”を鍛える

みなさんは1日何回スマホやPCに触れますか?

日々生きる上で、インターネットは日常ルーティンへ完璧に組み込まれています。

そして、数えきれないほどのWebサイトがあります。にもかかわらず、なぜ毎回同じWebサイトを見に行くのでしょう?

そんな時例えば、本当にお金を払って購入したECサイトがあれば真剣に見てみる。

そうすると、

「迷ってるときに背中押される説明文だ」
カテゴリ分けが秀逸で、欲しいものがすぐ見つかる

「興味持ってたものがおすすめに出てる」

など、分かりやすい説明や使いやすいUIにユーザー目線で気づきます。これがWebマーケターに欠かせない“気づき力”の源泉です。 気づき力を高める練習として、SNSで流れてくる宿やランチ、洋服や車などのランキングも面白いです。もちろん誘導的なランキングもありますが、「なぜこれ人気なの?」と考えることで、人の行動傾向を読み解く力が身につきます。 日々の些細な気づきを大切にし、常に改善案を考える習慣をつけることが、Webマーケターとしての思考力アップに役立ちます。

|行動を理解することで見えてくる “再現性”

Web解析をして、マーケティングを成功させる上で大切なのは、ユーザーが購入やお問い合わせといった行動を取るきっかけを理解することです。それには人の行動傾向を掴む必要があります。 例えば街を歩いていたら、ある店の前で足を止めた経験はありませんか?

自分なら「カレーのスパイシーな良い香りがして、ちょうど空腹だったから」と理由がつきそうです。しかし、ここで考えるのは自分だけでなく、他の人も同じように行動するかどうかです。

この「再現性」は、同様の状況を作り出すことで他の場所でも同様の行動を促すための基盤となります。

例えば、キービジュアルにカレーのスパイシーさが香るイメージを使えば注目が集まるかもしれません。また、昼休憩の時間に情報を発信すれば、ユーザーは関心を持つでしょう。
このように、人の行動原理を理解することで、Webサイトでもそれを再現できるようになります。

|数字に一喜一憂しない”フラットな視点”

KGI(登るべき山である最終目標)やKPI(登るための手段)を定め、数字を追うことを前提とすれば、アクセスデータの変化を常に気にかけなくてはなりません。
しかし、ただ数字の良し悪しに一喜一憂していて成功は望めません。フラットな視点で状況を冷静に分析する力も重要です。

なぜなら、Webサイトだけがビジネスの売上に直結するわけではありません。営業活動などの他の要素が複雑に関係しています。ですので、Webサイトの改善だけで劇的な変化が起きるのは稀なのが実情です。
むしろ大切なのは、Webサイトがクライアント企業の売上にどの程度貢献しているのかを理解し、サイト改善の限界も意識しておくことです。数字が悪化した時こそフラットに原因を分析し、改善のヒントを見つける心構えが肝心です。

そして、データを数字ではなく情報として捉えるスキルが不可欠になってきます。

こうしたスキルは人に関心を持ち、行動のなぜ?を探る習慣から身につきます。Webサイトの課題に行き詰まったら、街に出て人の行動を観察してみるのも一案かもしれません。

|さいごに

アイ・クリエイトでは様々なエキスパートがお困りごとについての施策や改善案をご提案させていただきます。

『月に1件しか問い合わせがない』
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